『虹色ほたる』川口 雅幸
内容(「BOOK」データベースより)
一年前に交通事故で父親をなくしたユウタは、小6の夏休みに一人、父との思い出の地を訪れていた。よく一緒にカブトムシをとりに来ていた山奥のダム。今は 使われていないそのダムで、ユウタは突然の雷雨に襲われ、足をすべらせて気を失ってしまう。やがて目覚めたユウタの目の前には、一人の小さな女の子とダム に沈んだはずの村が…。タイムスリップした三十年以上前の村。かけがえのないもう一つの夏休みの、はじまりだった。
(´-д-`)ここだけの話『虹色ほたる』を『虹裏ほたる』と打ち間違えました。
というのは置いといて。
市川拓司『Separation―きみが還る場所』や吉野匠『レイン ―雨の日に生まれた戦士
』などを輩出したアルファポリス「ドリームブッククラブ」出身の作品です。
アルファポリス―電網浮遊都市―が主催するドリームブッククラブはネット上の作家志望者から作品を募集し、サイト上で3ヶ月間公開して読者投票で300pt集まったら書籍化を検討するシステムです。シビアなのは投票したらカネを取られる可能性があること。
投票システムは「購入予約」「出資」「携帯投票」の3種類。このうち携帯投票以外は書籍化決定後、規定に従って徴収されます。購入予約では書籍1冊1000円での買い取り。出資は本の制作、流通に掛かる費用を一口1万円取られます。
出資は企業の株を買うような感じで作品が売れれば印税の0.1%が配当金として返ってきます。残念ながら出資金を取り戻せるほど売れてる作品はごく僅かですが。オンノベとして面白いのと売り物にして採算が取れるレベルは違いますからね。
300pt集まっても売り物にできるほど質が高くない、アルファポリスの色にはそぐわないと判断されれば却下することもあります。
『虹色ほたる』は数少ない出資金<<配当金の作品です。
亡くなった父親との思い出が残る場所で虫取りをしていた少年ユウタが30年前にタイムスリップし、そこで一夏過ごすうちに様々な経験をしながら「生きる」とは何か学んでいく、と、こう書くと暗い話に思われそうですが実際はサッパリしてジメジメしたところのない話です。
『ぼくのなつやすみ』のような「終わって欲しくない夏」を感じさせますね。
文章の素人臭さや擬音語の多用を横に放り投げれば爽やかで後味の良い児童書です。荒みきった俺の心には最後の展開が安直なようにも見えましたが。現実の厳しさを突きつけるような終わり方はして欲しくない作品なので、これはこれで良いのかなとも思います。あの二人は切れずに続いてたのね。
たぶん親子で読んだら子供より、実際に30年前の夏を経験した親のほうがハマると思います。
| 虹色ほたる―永遠の夏休み | |
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