『お見合い』吉村 達也
内容(「BOOK」データベースより)
大好きな史也と結婚する前に、一度だけ「お見合い」というものをしてみたい。満たされた恋で幸せな毎日を送る滝真由子にとって、それは余裕の気持ちが産み 出したほんの遊び心。恋人の史也も、笑って賛成してくれた。そして真由子は、親戚からきた見合いの話に、ふざけ半分で応じることにした。だが、お見合い相 手の男は真剣だった。真由子の魅力に一目惚れをした彼は、思いつめた表情でこう言った。「私はガムテープ男です。一度くっついたら離れません」。
ほのぼのした恋愛物か、お見合いを題材にしたドタバタ喜劇を想像しそうなタイトルですが、実際は著者名を見て分かるとおり角川ホラー文庫です。
高校のバレー部で運命的な出会いを果たした真由子と史也のカップルは数年の交際を経て、そろそろ結婚を考える仲に。二人っきりでUSJに出かけた日、真由子はちょっとした思いつきから「不細工な男と見合いしてみよう」と言い出す。
程なくして叔母の静子が見合い話を持って来た。森中公一の写真を見て真由子は驚く。白昼夢に出て来た見合い相手そのままだったのである。自分には透視能力があるんじゃないかと騒ぎ出す真由子。不思議な運命と相手の見た目や経歴の良さに惹かれ見合いを受けてしまった。そして事態は彼女も予想しなかったほどとんとん拍子に進み、いつしか心が史也から離れていく。
罪悪感を覚えながらも公一との縁談を進めようとするが、次第に彼の隠し持つ別の顔が気になり始め……。
激しい雨の降りしきるよる、遂に公一が牙を剥く!
果たして彼は何者なのか? どうして真由子は写真を見る前から公一を知っていたのか? お見合いは本当に「安全なお付き合い」なのか!?
と、そんな感じの話です。
読めば読むほど真由子が酷い奴です。そりゃ誰が悪役かと言えば公一と○×に間違いないんですけど、読者的に二人と同じくらい印象悪いのが真由子です。
そもそも見合いしてみようと思った理由が「お見合いに来る男なんて碌なのが残ってない。そこで『ああ、自分はこんなのと結婚しなくてよかった』と史也のありがたみを改めて感じたいから」です。
これが徐々に不幸になっていって、最後はドン詰まりまで追い込まれるから読者は溜飲を下げるわけなんですが。
読後感は悪いですね。途中どんだけ怖い目に遭わせても最後は「めでたし、めでたし」で終わらせて欲しい人は読まないほうが良いと思います。ラストには一筋の光明も見出せませんから。
| お見合い (角川ホラー文庫) | |
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