『日本人はなぜシュートを打たないのか? 』湯浅 健二
サッカー中継を見てると国際試合、国内試合に関わらずゴール前でシュートを打たない日本人に歯痒い思いをさせられる。
打てよ! 決めたら明日の一面はお前だぜ!!
チーム一丸となって相手ゴール前まで運んできたボールを最後に蹴り込む。味方フィールドプレイヤー9人分の汗と期待の染み込んだボールを扱うのは、同時に重い重圧を背負うことでもある。外せば批難される。だからつい「確実に決められる所」まで持って行こうとするわけだが、相手のレベルが上がるほど「確実に決められる所」へ近付くのは難しくなる。そこへ行かせないのがディフェンダーの仕事だから当然だ。
時には失敗を恐れず前が開いたら強引に打っていく必要がある。宝くじも買わなければ当たらないんだから。――といってクジを引くような運頼みのシュートばかりでも困るが。
さて本書は一読して得た感想が「中身とタイトルが一致してない」だった。どうにも著者のドイツ留学、読売クラブでコーチを務めた時代の体験談が中心で、タイトルに対する明確な考察が抜けている気がした。
繰り返し語られているのは「クリエイティブな無駄走り」の重要性。ボールを持ってない所での動きがプレーの質を決める。オシム言うところの「考えて走る」サッカーだ。なら、どうしてそれにちなんだタイトルを付けなかったのだろう?
フィールドで如何に戦うべきかが多くのページを割いて語られているのに、ゴール前でシュートを打てない日本人の弱さには言及されてない。
まんまとタイトルに釣り上げられた感が拭えない。
サッカー論、また内容説明にある日本人論としても目新しい部分はなく、著者の既刊本を持ってる人、一通り最近のサッカー事情は把握してると自負する人は読んでもつまらないでしょう。
アスキー
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